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(学力向上対策について)

大 柴 学力テストの新聞記事が大分目についてるんですけれども、ちょっと新聞の1面を読ませていただきますと、小学校の全5分野で全国平均を下回り、算数B、都道府県別で最低だったと。中学校では5分野中2分野で全国平均に届かなかったというような記事が載っております。ここ何回か、ずっと平均を割れるような、山梨が大分レベルが低いという話で、教育委員会としても、また、前の期の教育厚生委員会としても、秋田とか、先進事例を見に行って、いろいろな助言等も行ったりしているわけでございますけれども、なかなか全国のレベルには、全国平均には届かないというのを見まして、これがやっぱり大きな課題であるなと。

課題が浮き彫りになったのではないかと思っております。やはり平均的に学力を上げていくためには、私が言うまでもないとは思いますけれども、全体的な学力向上のために、皆さんにしっかりと対策をとっていただかなければならないということですけれども、今お考えになっている対策というのはどんなものがあるんでしょうか。

 

義務教育課長 ただいま御質問のありました学力向上につきましては、学校長のマネジメントのもとに、教職員一人一人が自覚を持って取り組むことが大事だと考えております。

 県教育委員会としましては、臨時の校長会や合同指導主事会を開催しております。また、各学校の担当者を集めまして、学力向上フォーラムというのを開いております。これらを通しまして、授業改善をして、学力向上に取り組んでいきたいと思っております。それから、御指摘がありました小学校の算数が一番低かったということですけれども、これにつきましては、県のほうで発展的な問題を集めまして、チャレンジ問題という問題集を作成して、各学校のほうに配布をして取り組んでいただこうと考えております。

 

大 柴 各科目の分析は当然のことだと思うわけですけれども、その他の要因としてはどのようなものがあるのか、わかっている範囲で結構ですからお伺いします。

 

義務教育課長 全国学力学習状況調査には、普通の教科のテスト以外に学校質問紙と児童生徒質問紙というのがございます。これがそれぞれ100問近くの設問があるアンケート形式のものでございますけれども、それにつきまして県のほうでも分析をしております。全国と比べましたところ、本県では、地域の行事によく参加をするとか、地域に関心を持っている、それから、学級のみんなで協力してやり遂げることができるとか、そういった部分については全国を上回っておるのですけれども、逆に低いものとしまして一番目につくのが、家庭学習の時間が全国に比べて短いという、そんな結果が出ておりまして、昨年度から取り組む中で上がってきてはいるのですが、まだ全国に届いておりませんので、とりあえずまずは全国に追いつくということで取り組みを進めております。

 

大 柴 先ほど申し上げた家庭学習ですが、我々が調査してきた感じでも、秋田とかそういうところは家庭学習がしっかりできていると。あと、読書量というのもあるんですよね。山梨は意外と読書量は多いということは聞いているんですけれども、やはり地域を含めた、家庭とか、また社会の環境の影響が大変大きいんじゃないかなと。やはり家庭といいましても、共働きですとかいろいろあると思うんですよね。こういうものの影響もたくさんとあると思うんですけれども、家庭との連携をどのように県としては進めていこうと考えているのかお伺いします。

 

義務教育課長 ただいまお話がありましたように、読書量につきましては、本県の子供たちは高い傾向にあります。そういったいいところはこれからも伸ばしていければと思っております。家庭との連携につきましては、県のほうで保護者を対象としまして、学力向上の集いというものを行っております。これは県内5カ所で行っているのですけれども、保護者の方に講演とかパネルディスカッションとか、そういうものを通して家庭学習のあり方をお示しするという、そういう取り組みがございます。それから、家庭学習の手引きというものを県で作成しまして、そういったものの配布もしております。今年度につきましては、各教育事務所に新しく地域学力向上推進幹という新しい職を置きまして、それぞれの地域の実態や課題に応じた取り組みができるようにとやっているところでございます。

 

大 柴 やっていることは、前回と、去年とそんなに変わっていることはないんじゃないかなと聞いていて思うのですけれども、学校での授業や、それ以外の読書とか周辺環境、また、意識の啓発といった面も大変重要だと思うのですけれども、今までやってきてそんなにレベルが上がってこないわけですよね。ですから、新しい何か考え方というか、これをやったほうがいいとか、そういうのはないんでしょうか。

 

義務教育課長 御指摘があったように、授業以外の側面からの取り組みも必要かと思います。今年度、新たに行っていることとしましては、学力向上を冒頭にも言いましたけれども、一人一人の教員が意識して、各学校が組織的に取り組めるということを指導するために、学力向上に特化した学校訪問をこれから行ってまいります。それから、これは全国と比べて、ちょっとポイントが低かったのですけれども、小中の連携、特に学力に関しての小中の連携が全国より下回っているということがありますので、これにつきましても小学校、中学校、それぞれが相互に授業を見合ったりする中で、資質を高めるとか、または一緒に校内研究会をするとか、そういった連携をすることで生活面、学力面ともになめらかに接続ができるようにという取り組みを行っております。

 それから、他県への視察は昨年度も行ったわけですけれども、主には指導主事が行っておりました。指導主事を通してその成果とか、気がついたこと等を広めていったわけですけれども、今年度、計画しておりますのは、学校の校長先生とか教頭先生とか、現場の管理職の先生に直接見ていただいて、学校に戻ってすぐに生かせるようなことをしていきたいと考えております。

 

大 柴 大変ないろいろな努力をしていただいているのはわかるのですけれども、やはり子供さんにしても、小学校、中学校のときに全国平均を下回っているということになると、やっぱり上に進学してもなかなか追いつけない。ということになると、将来的に子供が悲惨なわけですよね。かわいそうなわけです。ですから、先生たちは大変ですけれども、いろいろな努力をしてもらいたい。今、山梨が抱えております

人口ビジョンにしても、私の知っている人は、山梨県はこの全国テストの結果を見るとレベルが低いから、あそこには行きたくないよと、行けないんだよという人もいるわけですよね、やはり。しかし、学校の教育が向上していることによって、山梨に引っ越してくる人もふえたり、いろいろな面でプラスになると思います。人口ビジョンの関係もですね。ですから、すぐにどうなるということはないのだろうとは思うのですけれども、しっかりその辺のところの教育を何とか、ぜひ皆さんのお力をおかりしながら、レベルアップしていっていただきたいと思います。その辺のお考えを聞かせいただいて終わりにしたいと思います。

 

義務教育課長 御指摘のように、学力向上につきましては、本県の教育委員会としましても大きな課題と捉えております。昨年からやっている取り組みもあるのですけれども、なかなかすぐに効果が出ないものもあるかと思います。昨年からやっているものにつきましては、不断の見直しで、質を高めるとか、やり方を考えるとか、そういう工夫をしまして、今後とも努力をしてまいりたいと思います。

 

学力向上対策監 私は、学校に直接指導に行く、指導主事のレベルアップを考えています。4月からずっと指導主事のレベルアップについて、研修を幾度かやってきました。秋田とか福井のことを大学の先生が調べたことがあるんですけれども、その中で、学力向上に関しては、まず教員の指導力向上ということがうたわれていました。ですので、まず第一に、学校に直接訪問して指導する、指導主事のレベルアップを私としては中心に考えております。

 

平成27年9月定例会 教育厚生委員会会議録